前立腺肥大症

2024/04/05 ブログ

 16歳の柴犬のお話です。

 夕方 散歩時、何度も、排尿姿勢を取るのだけど、オシッコが出ないとの事で来院されました。

 膀胱炎?かとレントゲン撮影したところ、膀胱がパンパンでした。1枚目の写真の黄色矢印の丸いものが膀胱です。膀胱炎なら、オシッコが溜まってないことが、通常で、尿道に 結石か何か、閉塞するものが、あるのかと。レントゲン写真には、尿道に結石らしきものは 写っておらず、取り敢えず、カテーテル導入して、排尿させました。カテーテルの挿入時の違和感もなく、すんなり 膀胱まで入りました。腎数値も問題ありませんでした。

 

 血尿であったため、止血剤と抗生剤を処方して、様子をみてもらうことに。

 しかし、排尿障害が続いてるとのことで、前立腺が原因?かと 思い、ウロエースという昔からあるホルモン剤を1週間投与してみました。

 

 老犬であったため、手術しましょう!とは すぐに 言えず、また、犬の前立腺肥大症の症状として、周りが大きくなっていき、直腸を圧迫して、排便障害になりやすいと言われてたので、まず ホルモン剤での治療を行いました。

 

 1週間飲んで貰いましたが、全く 排尿障害が改善されないということで、超音波検査をしました。そうしたところ、膀胱からの尿道が広がっており、前立腺の辺りの尿道が急に、潰れて見えなくなっていました。 

 

 排尿障害の原因は前立腺だなと確信して、去勢手術をしました。前立腺炎や前立腺癌は 画像的に見て 問題なさそうです。

 

 10日後の抜糸時、飼い主さんに 状況を聞いたら、排尿障害はありませんと。

 レントゲンで前立腺の大きさを測定しました。 去勢10日で 前立腺がかなり小さくなっていましたね。 骨盤前の黄色の線です。2枚目の写真が去勢手術後の前立腺です。

 

 オシッコ出づらいって 辛いので、良くなり 良かった症例です。